爆裂BOX

コールドプレイの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

コールドプレイ(2006年製作の映画)
3.6
ヤニッケ達若者5人は人気のない雪山でスノーボードを楽しむが、仲間の一人が骨折してしまう。助けを求めて近くに見えた古びたホテルに向うが…というストーリー。
雪山を舞台にしたスラッシャー・ホラー。
スノボ中に仲間の一人が怪我をし、近くにあった廃ホテルに避難するがそこには殺人鬼が潜んでいて・・・という舞台を湖から雪山に変えただけのありきたりな話ですが、ホラーの教科書的な丁寧な作りでできています。
前半は殺人鬼が中々登場せずタルイかもしれませんが、その分時間をかけてそれぞれの登場人物を描いているので感情移入がしやすく、殺人鬼に襲われるときの緊迫感を増してます。登場する若者達がアメリカ映画によくあるセックスとドラッグしか頭にない若者ではなく比較的真面目な所も好感持てます。遊んでそうなイングンが実は…とか、「右手が恋人さ」とか嘯くモルテンはヤニッケに秘かに思いを寄せてたり…といったドラマがさらりと描かれて、彼らに感情移入しやすくなってます。ミカルもチャラい感じだけど結構一途だし(自己中心的な所はあるけど)
殺人鬼が登場してからは緊迫感漂う展開でハラハラさせられます。殺人鬼の住処である地下室で古い記事や数々の犠牲者の略奪品とか見てヤバい場所だと気づくシーンや、殺人鬼の襲撃からホテル内を逃げ回るシーンは中々緊迫感ありますね。モルテンの最後の漢気とか良かったな。
ゴア描写はほぼなく、流血シーンがあるくらいですが、最初の犠牲者イングンの殺害シーンはシュチエーションとか結構怖いですね。すぐそばにミカルがいるけど、大音量で音楽なってるから助けを呼ぶ声が聞こえない絶望感は良いですね。
ヒロインのヤニッケちゃんが冷静で頼りがいがある所も良いです。ラストの対決もナイスファイトでした。イングリット・ボルゾ・ベルタルも着々とキャリア重ねていきましたね。
少し描かれる殺人鬼の過去は同情できますが、結局は殺人が癖になっていたんでしょう。
グロ描写もなく話もありきたりですが、丁寧に作られ映像も美しいのでホラーファンは一見の価値があると思います。しかしロアー・ウートッグ監督、新作「トゥームレイダー」撮るくらい出世するとは思わなかったな。