誰かのエッセイで読んだけど、好きなことを探している時点でもうダメなのだそうだ。好きなことは探さなくたってもうすでにやっているはずだから。それは本当のことなのかもしれない。
だけどダメなわたしは好きなことを探してしまう。
本作も好きな作品のひとつになった。
作品に登場する二人は社会に出てやりがいはなくともなんとかなっている。育てようと思った猫の寿命が短いわけではなく、5年かもしれないと聞いて、日常が変わりはじめる。このまま5年も過ごしたら、何者にもなれないまま自分たちの可能性が終わってしまう焦り。
どの関節をどっち向きにつかっているのかカクカクとした奇妙なミランダ・ジュライのダンスのように、わたしたちは踊りはじめるしかないのだろう、それが他人にはどんな姿に映っても。