このレビューはネタバレを含みます
この映画は哲学の映画で、
何度も何度も考える義務があると思った。
たくさん台詞メモした。すごい衝撃を受けた。
その1
命は、自分自身だけでは
完結できないように作られているらしい。
花も、雌蕊と雄蕊が揃っているだけでは不十分で、虫や風が訪れて、雌蕊と雄蕊を仲立ちする。
命は、その中に欠如を抱き、それを他者から満たしてもらうのだ。
世界は多分、他者の総和。しかし、互いに欠如を満たすなどとは知りもせず、知らされもせず、ばらまかれているもの同士、無関心でいられる間柄。
時に、疎ましく思うことさえも許されている間柄。
そのように、世界が緩やかに構成されているのは、なぜ?
花が咲いている。すぐ近くまで、虻の姿をした他者が光を纏って飛んできている。
私もある時、誰かのための虻だったろう。
あなたもある時、私のための風だったかもしれない。
その2
心を持つことは、切ないことでした。
その3
一つ、教えてくれるかな?
君が見た世界は悲しいものだけだった?
美しい、綺麗なものも少しはあったかな?
なら良かった。
1番大好きな詩、吉野弘さんのI was bornを読んだ小学生の日を思い出した。
林檎はアダムとイブからきている?
空気人形を消費する板尾さんも、勤務先では替えのきく存在だと罵られ、消費されている。
私って代用可能なの?私じゃなくちゃできない仕事ってある? この不安を常に抱えながら生きるということが、イコール心を持つ、ということなのかもしれない。
誰かの役に立ちたい、という気持ち。
もっともっと、この映画について考えたい。
とりあえず原作をポチり、哲学の本を読み、自分の考えをまとめたい、と思った。
もし中学〜高校の時に出会ったら人生が変わっていたかもしれない。なんだこれ、で片付けてた可能性もあるけど
え、まって、他の方のレビューで今気づいた!、!!
その1の台詞、吉野弘さんの詩か、、!!!
蜻蛉の描写はI was bornからのインスパイアだと思ったのはあながち間違ってないかもしれん