荒野の狼

デッド寿司の荒野の狼のレビュー・感想・評価

デッド寿司(2012年製作の映画)
4.0
2013年制作の92分の武田梨奈主演の映画。コメディ、アクション、スプラッタ、お色気シーンの他、日本の伝統的な寿司についての紹介もなされており、海外への寿司文化の紹介にもなっている。
武田は、コミカルな演技を本作ではこなし女優としての成長を見せている(ブルース・リーばりに、相手を踏みつけるシーンなどは決まっている)。純粋なアクション映画ではないが、仲居姿で、高速で飛んで襲ってくる寿司を次々にハイキックで蹴散らすシーンは、スローにしないと見えないほどのスピードで、名場面(監督はパッと米粒が飛び散るシーンを撮りたかったとコメント)。
物語は、以前、会社を追われた島津健太郎が、寿司を怪物化して、会社に復讐を企てるというもの。島津は、目つきの鋭い浮浪者として登場して、ついにはマグロマン(頭部が着ぐるみのマグロ)に変貌。人間体では、アクションがなかった島津だが、マグロマンになってからの動きは俊敏で、特に武田の寿司ヌンチャクとマグロマンのまさかりの対決は、一番の見所で、島津の優れたアクションのため、お笑いに終わってしまいかねないシーンが、緊迫感を持ったものになっている。
他の脇役もユニークで、一見真面目そうで、一枚も二枚も裏があるイケメンの須賀貴匡が好演。温泉宿の寿司職人の津田寛治は、癖のある役どころをうまくこなしており、ラブシーンまでも、どことなくコミカルに演じており見事。須賀と津田は仮面ライダー龍騎で以前、共演しており、特撮ファンには嬉しい顔合わせ。
女将役の亜紗美は、前半は、津田と浮気をする色っぽい役どころだが、後半、武田梨奈との1対1の闘いはスピードがあり、アクション女優同士の対決は名場面。首が飛ぶシーンなどの残酷シーンや、刺身の女体盛り、温泉での女性の入浴シーンなどがあるが、いずれもコミカルな演出なため、鑑賞に堪えられないほどのエログロさは抑えられている。
アメリカで発売のDVD(リージョン1)は、1000円ほどで安価。日本語と英語が選択でき、日本語には英語の字幕が入る。英語の吹き替えは、残念ながら武田本人のものではない。アメリカ版の特典映像には、日本語の部分には英語の字幕が入り、以下のものが収録。
11 分のメイキング ”Making-of featurette”では、武田は、いままでの役は、本格的な空手ものばかりだったのが、今回は、念願であった、ジャッキー・チェンの映画のようなコメディも入った役であったと語っている。また、寒いロケ環境であったとも語っているが、リハーサルで出演陣が、コートを着ている映像が収録。11 分の ”World premiere stage greeting” はカナダのモントリオールで行われたFantasia Film Festival に舞台挨拶した時のもので、武田が、スローにしないと見えないほどのスピートで、観客席までペットボトルをハイキックで蹴り飛ばすパフォーマンスをし、観客の賛辞を受けている。”Dead Sushi Trailer” は英語の作品紹介。 “Dead sushi extreme contest” は 2012年にテキサスのオースチンで行われた監督と一般人がゲテモノ寿司のコンテストをしたもので、武田は、別撮で、進行役。 “Fantasia film festival interview” は2012年に収録された監督と武田のインタビューで、武田は ヌンチャクのアクションも披露。
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