たまごまん

あれからのたまごまんのレビュー・感想・評価

あれから(2012年製作の映画)
3.8
流れていく車窓の風景を追いかける瞳
もとには戻らない割れたカップ
壁に空いた大きな穴と青空の写真
天井飾りの鳥たち
2人で一緒に同じ景色をみる、同じ時間を過ごす

限りなくシームレスに現在と夢や回想が重なるのは篠崎さんぽくて好きだ。やはり夢のシーンとお祝いビデオと重なる想い出のシーンは見応えがあるし心が動く。

鑑賞しながら、そういえば当時の私はどうやって日常に戻っていったのだろうか?ということを考えていた。
劇中で叔母さんが言ったように、段々と慣れていったのかもしれない。あるいは日常を取り繕っているうちに非日常であることを忘れていったのか。
余震と同じように、大切な人の不在にもいつの日か慣れるだろうか?

時の流れや誰かの言葉が背中を押して、少しずつ前へと進む。あれから、被災した人々はどうしているだろうか?
たまごまん

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