まさなつ

ザ・ウォーター・ウォーのまさなつのレビュー・感想・評価

ザ・ウォーター・ウォー(2010年製作の映画)
3.9
ビクトル・エリセの「エル・スール」の女の子が監督+ケン・ローチ作品の脚本家コンビによる「オリーブの樹は呼んでいる」の前の作品。

やはり、社会派要素は高い。それにサスペンスとヒューマンを絡めて見応えあります。この監督を「エルスール」の、、というのは失礼ですね、失礼しました。

コロンブスの後のスペインの植民地支配の映画を、人件費が安い理由でボリビアへ撮影に来た映画クルー。現地では水道民営化により価格が高騰し、さらに雨水の利用まで制限されて民衆の暴動が勃発。主演に抜擢した現地人が暴動に加担して逮捕され、、。

3つのことが並行して描かれ、それがいつしか交差する巧みな脚本。スペインは原住民を奴隷のように使い、映画の製作陣は原住民を安く使い、水道事業を請負う多国籍企業は原住民から搾取する、、3つとも「人間の欲」と「生きる権利」の闘いという意味で共通してます。

333の法則というのがあるそうです。

空気は3分
水は3日
食べ物は3週間

とらないと生命が危険となる。

水道民営化が静かに進められている中、誰のための、何のためのことなのかしっかり見極める必要を感じます。
まさなつ

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