むぅ

HK 変態仮面のむぅのレビュー・感想・評価

HK 変態仮面(2013年製作の映画)
3.0
「キミがパンツ被ったとて、鈴木亮平にはなれないよ?」
「俺は!鈴木亮平じゃなくて!変態仮面になりたいの!」
「じゃ、被らなくてもそのままでいけると思うわ」
「訴えてやる!」

コロナ禍よりずっと前のハロウィンのお話。
友人が仮装で悩んでいたので、苦言を呈しておいた。
我が友ながら
「それひくわ」
の一言に尽きる。

『エルピスー希望、あるいは災いー』を観ていて、鈴木亮平の色気に毎回なぎ倒され思考回路がショートするので、もう鈴木亮平を観るドラマという大変間違った鑑賞方法を自分に許すことにした。
そして観ないだろうと思っていた今作も鈴木亮平観たさに手を出した。

レビューをする際、自分で設けているいくつかのルールを今回は全無視でいく。主に無視されるのは"倫理観と品格"の項目である。
ついでに"ルッキズム"が全開になる。


変身すると強くなるというヒーローもののセオリーを守った主人公が、これまた転校して来がちなヒロインを守るため、下着泥棒をしていることを全力で棚上げしながら、"本当の強さとは?"ではなく"本当の変態とは?"を学びながら戦う話。


【色気】
「むぅ、色気っていうのは外見からだけじゃないんだ」
社会人1年生の先輩にいいバーを見つけたから行くぞと連れていかれた渋谷の八月の鯨でのこと。
私色気ないんですよねーと言うと、そう返ってきた。
決まった!って思ってんだろうなと思いながら、カクテルグラスをちょっと持ち上げた先輩の仕草を冷めた目で見つつ、言ってることにはなるほどと思った。
そんな思い出が蘇ったのは、これぞ肉体美!という鈴木亮平のもうそれぞれの名称であげつらうのも面倒になる素晴らしい筋肉の全てよりも、エレベーターを待つだけの『エルピス』のスーツの鈴木亮平の方が遥かに色気があったから。
先輩、23歳かそこらの割には色気への理解が深かったのでは。
今作と『エルピス』での鈴木亮平の色気の差と同等と言ってよいほど、先輩と私の酒の強さは比べものにならなかったので、サクッと先輩を潰して部室に放り込み帰宅した事も思い出した。

【演技】
片瀬那奈が凄い。
個人的な見解だが"高笑い"の演技が上手い役者は良いと思っている。日常では滅多に発生しない"高笑い"、羞恥心をかなぐり捨てないと良質な"高笑い"は難しい。
それはそれで好きだが、まぁ言ってしまうと、いつも通りお得意の"間"と台詞回しに終始したムロツヨシや佐藤二朗よりも片瀬那奈が光った。何なら一度止めて、これ片瀬那奈だよな?と確認するほどだった。こういう役、もっとやればいいのに。ご本人は不本意かもしれないが。
安田顕にはお疲れ様でした、と言いたい。しっかり台詞のある登場人物ほぼ皆変態である中、安田顕の変態感に異様な説得力が。
『水曜どうでしょう』で"一応演技はしていない"状態を観ているので、ご自身の中の何かしらの要素を引き延ばしたのでは、とはちょっと思う。
この人、本当にこういう人なのかな?と思わせる役者も素晴らしいという事で。


何でこんなに一生懸命書いているのだろう、という気持ちになってきたので最後に。
『スパイダーマン』観ていて良かった。
鈴木亮平、実写版『シティーハンター』頑張って。

マスク、便利だ。
電車で半笑いで書いた。
ちなみに鑑賞中も半笑い。
今作のお供としては氷結無糖、4%だと薄かった。


「むぅは仮装すんのか?」
「しない。私ハロウィン関係ない」
「つまんねー奴だな」
「うるさいよ。変態仮面以外の候補は?」
「タイタニックのディカプリオ」
「なにそれ!素敵!そっちにしなよ!」
「お!マジ?そうすっかな」
「うん!絶対そっち!きっと誰も気付かないって!ディカプリオだとはw」
「マジでいつか覚えとけよ」

ちゃんと覚えてる。
そして今作観て思った。
あの時止めて良かった。
捕まるだろ。
むぅ

むぅ