借りぐらしのコブレッティ

はじまりのみちの借りぐらしのコブレッティのレビュー・感想・評価

はじまりのみち(2013年製作の映画)
3.7
原恵一監督作品。原恵一は「モーレツおとな帝国の逆襲」などアニメ畑の人で、実写は今のところこの作品のみ。この後はまたアニメ制作の方に戻ったようです。

松竹映画のエース監督だった木下惠介監督生誕100年記念作品だそうです。あの「二十四の瞳」の監督ですね。
山田洋次監督作品もそうですけど、松竹が自分のところの過去の歴史もちゃんと映画化してるのは立派だと思います。
疎開の為に病気の母を運ぶ為にリヤカーに母親を乗せて峠越え…これはなかなか大変です。途中雨も降ってみてるだけで辛くなってきます。しかも戦時中なんで食べ物も粗末な中でのリヤカー引き…何もいえない。
田中裕子が全くしゃべらず表情だけの演技なんですけど、すごく雄弁でやはり凄い。
加瀬亮が宿屋に泊まる前に母親の顔を拭いて髪をくしでとくところはぐっときますね…なんでくしもっているの…母親の気持ちわかり過ぎでしょ…孝行息子だに。
松岡茉優も出てるだに、ちょい役だけど嬉しい。濱田岳の調子の良さもまあ松岡茉優の前ならええカッコしたいわな。
旅先で構図を図ったりするところはやはり根っからの映画監督なんですね。映画内映画で「陸軍」のラストシーンを流してくれるのだが、観る手段がなかなかないのでありがたいですね。地味に良作、良かったです。