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ダイダロス 希望の大地のtheocatsのレビュー・感想・評価

ダイダロス 希望の大地(2012年製作の映画)
3.4
ネタバレ
カザフ国威発揚プロパガンダ映画だが許せる

18世紀カザフと侵略的遊牧民国家ジュンガル帝国(モンゴル系)の大戦争を描いた作品。

主役は家族をジュンガルに皆殺しにされた男子。
大人になった青年は復讐を果たそうと仲間を募ってゲリラ戦を開始する。
帝国に従順なカザフの一部族を軽蔑するがその娘には一目惚れ。
ゲリラ部隊の規模拡大に伴い帝国兵士の死亡者も増え帝国軍本部も警戒を強める。
他のカザフ部族も連合を組み帝国に対峙する機運が高まる。
ところが、ゲリラ部隊の隊長(青年)に嫉妬する仲間が彼を罠にはめ背後から弓を射る・・・


正直言えばあまり見たいと思えるあらすじではなかったが、ありきたりの家族惨殺復讐劇ではあっても舞台がカザフということで知的好奇心は最後まで持続。

興味深かったのはカザフ側の人種が全員黒目黒髪モンゴロイド系顔だちだったこと。
私が知っているのはコーカソイド系のスポーツ選手だけだったので目を瞠り、視聴後に調べたら白人系はほんの少数みたい。
そのせいか結構カザフ側に感情移入してしまい、侵略軍が別に憎い訳ではないけれど合戦場面では少しばかり手に汗握ってしまったよ。
それに加えてカザフでも美男美女の感覚は似たようなものなんだなぁとも感心。

大合戦場面での〝裏切り者の恩返し”などお約束の臭い場面も盛り込まれ、平和がもたらされた後のマタニティ描写もこれまたお約束通り。なかなか後味の良いエンディング。
ところがエンドロール前に思いっきりカザフスタン現政権のプロパガンダ的なテロップが入り唖然・興醒め。
調べたら映画予算の大半を国家が支出したらしい。それにしてもあのテロップの異様さ、苦い感覚は何とも言い難いものがある。
でもカザフの国民が税金の使い道と政権のプロパガンダに納得しているなら、我々がとやかく言うことではないだろう。

総評3.4

002010
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