お望月さん

ディア・ダディ 嘘つき父さんの秘密のお望月さんのレビュー・感想・評価

3.6
裏「ドニー・ダーコ」とでもいうべきか。クソ野郎の死の神格化と虚像を蹴り飛ばす爽快なエンディング!

情けない文学者気取りのロビン・ウィリアムスの息子は(自主規制)主義者の性格破綻者で(自主規制)ニーに耽る問題児。
学校では成績も破綻して退学寸前であり友人も一人しかいない。父親の交際相手や隣の老婆に(自主規制)する剛の者であり、ある日突然窒息(自主規制)ニーの流れでアッサリ死んでしまう。

学校では誰も息子のことに注意を払う者はおらず「誰もを知らない」ことをいいことに息子の死の付加価値化を計画する父親。

死者の偶像化が始まり生徒は「親友だったんだ!」「形見をくれ!」「彼の星座は?」「家族は?」「勇気をもらいました!」「かわいそうな父親抱いて!」「調べてみました!」とエスカレートしていくという流れが非常に悪意に満ち満ちた秀逸さで本当に見ていて気持ち悪い。凄まじい手腕の冴えだ。

誰も知らない架空の《彼》を崇拝する輪が広がり続ける様子が非常に怖い。

ハートフルホラー。