このレビューはネタバレを含みます
日本の映画だからなのか、北を舞台にした映画だからなのか全編通してとにかく残酷。むしろ狂気の薫りがする。
希望に見える幻こそあれ、それは結局幻でしかなく、希望には成り得ない。
原作がある映画は大体そうだと思っているのだが、映画だけ見ても物足りないものが多い。見終わってモヤモヤしたら原作を読むと補完されることが多いのだ。
この映画も多分そう。
一度、本を読んでみようと思う。
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独自解釈
マチコとのセックスは半ば暴力的で、足りない愛を求めているように見えた。
ハナとのセックスは与えられる愛を受け入れているように見えた。(その代わり血のシャワーが降り注いでしまいましたが。)
血のシャワー = 身体を重ねてしまったジュンゴとハナには、血に塗れた人生しか待っていないということ?
強く見える男も、実のところ弱く精神的に頼りたいのに支配されたいのにそうさせてくれる人がいないから壊れてゆく。
秘密を知ったじいちゃんが追いかけてきて、お節介にもハナを助けるフリをします。
本心なのかもしれないが、これまた人を支配しようとしている風に見えた。
じいちゃんの葬式で黙々と顔色一つ変えず出された食事を口にするハナには、じいちゃんの人生をも飲み込んで生きていくという覚悟が感じられた。
そのハナとその隣にいるジュンゴに目を向けたものの目を逸らしてしまったマチコは、一生彼とはやっていけないということの暗示でもあるようだった。(直視できないのなら、血の道は歩めない)
指を咥えるシーンがたくさん出てくるが、最初はフェラシーンなぞ映画館で流せないからとかより愛と甘美さを追求してってことかと思ったら、単に母に甘えたい無償の愛が欲しいという表れなのかと後半に来て思った。
最近ロリコン映画や近親相姦モノばかり見ているので(狙っている訳ではない)
普通のラブストーリーが見たくなった。