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クライム・シティのペジオのレビュー・感想・評価

クライム・シティ(2011年製作の映画)
3.1
4年ありゃ人も開催地も変わる

いやーわかり辛えー
力作だと思うし見応えもあるのだが、いちいち「…えーっと今これはいつの年の話だっけ?」と確認しなければいけないのが、初見だとチョイきつい(同系統の傑作「シティ・オブ・ゴッド」は巧く作ってあったんだな。)
視点が「捜査官」「被害者と犯人」「被害者家族」とうまい具合に「一つの誘拐事件」を構成する要素に分かれてるから、油断すると混乱する(移り変わるタイミングも絶妙にリンクさせてる。)
これらが全て「別の誘拐事件」であり、登場人物たちのそれぞれの関わり方の違いにこそメキシコの現状…「誘拐なんざ日常茶飯事」という事実が表現されているのだろうが
馴染みあるサッカー選手の名前(ロナウド、ジダン、イニエスタetc)が出る度、この悲惨な現実が我々の日常と「地続き」であることを意識する

以下備忘録
2002年日韓W杯【シネマスコープ】
・誘拐事件の捜査官(ルペ)目線
2006年ドイツW杯【スタンダード】
・誘拐事件の被害者、及び犯人(ドロテオ)目線
2010年南アフリカW杯【ビスタサイズ】
・誘拐事件の被害者家族等、周囲の人々(マクシー)目線

悲しいことかもしれないが、「望む望まざる」に関わらず人は「変わってしまう」生き物である
だが、「変われる」事は「希望」でもあるだろう
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