ホイットモア大統領

バトル・オブ・シリコンバレーのホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

3.8
映画好きの知人に薦められて鑑賞。

タイトルが『バトル・オブ…』となってますが、シリコンバレー壊滅を狙うテロリストとドンバチする映画とかではなく、スティーヴ・ジョブズとビル・ゲイツ、2人の実話を基にしたTV映画です。

やはり持つべきものはライバルというか、競合相手というか、2人が切磋琢磨しあった結晶が、現在の我々の生活を構築しているように感じま…せん!全くそんな綺麗な話ではなく、ましてや2人の間にジャンプ漫画のような熱い友情!は皆無で、ここで見られるのは騙し騙され、奪い奪い合いの戦いの記録でした。

ジョブズさんは相変わらずクズ野郎として描かれてますが、他2作の伝記映画が彼の没後だったのに対し、本作は存命中なのにこの扱いでビックリする笑
そんな彼は今や周知の事実ですが、「閃き」の天才で、先見性に長け、決断力ある人物=発明家として演出されています。

対してゲイツさん(激似!)は、地味で冴えない男風なんだけど、「ハッタリ」「嘘」の天才で、市場動向の観察をかかさない、したたかな人=企業家だなと思いました。特にIBMにシステム開発を持ちかける際、衝撃的なブラフをかますシーンは全営業マン必見ですね!

そんな彼らを原題は「Pirates」=海賊と例えている。これはジョブズがチームを鼓舞するためのメッセージであると同時に、2人のやり方を指しているようです。
ジョブズは今のPCアイコンの元となったGUIなるシステムを合法的に盗み、片やゲイツはジョブズを丸め込み、マッキントッシュごとそれを盗んでしまったりする。

でも、裏を返せばそれぐらい本気で熱いということなので、どこまでが本当かはわからない(本当は仲良しだったらしい)けど見てる側としては楽しませてもらいました。当事者だったら最悪だけど笑

ただ、本作が1番面白いのはラスト!
「バトル」ということでラストに一応の決着はつくんですが、本作の制作年は1999年。つまり!我々はこの後の展開を既に知っているので、“彼” が見せるその表情に色々な解釈を持たせることができるのです!そう考えると当時見た人も今見ると、また違った面白さを発見できるかも!