近代批判、風刺とも取れる内容で
印象的なカット多し。
人間の銅像と仏像がモンタージュ的に
並べられたシークエンスが印象深い。
また中盤、テクノロジーが
発達した近代においても
科学的根拠のないスピリチュアル系の
話がでてくるが、
こちらの思いを見透かしているかのような
カメラを1人ガン見するおばさんが登場する。
じっとりしたカメラの動きとともに
何とも言えない印象を残す。
終盤、何のために使われるかわからない機械が
置いてあるよくわからない部屋一面に
靄がかかっているが、そんな靄も
ブラックホールのようなダクトに
吸い込まれていくイメージカットが
登場する。
この際の靄はよくわからないもの、
科学的根拠のないものの象徴ではないか。
よくわからないものをよくわからないまま
にするのではなく、排除しようとする、
説明しようとすることが
イメージとして語られていたように思う。
靄を無くすことが果たして正しいことと
言えるのだろうか。
そして私もよくわからないものを
わからないままにするのではなく
必死に理屈をつけ頭の中を整理しようと
しているのであった…