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檻囚のeigajikouのレビュー・感想・評価

檻囚(1962年製作の映画)
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UNREST 62|22ーパパの映画への挑発 PART 1: 女性映画作家62|22

小田・シェーデルバウアー作品のプレミア上映関連プログラム
寺山修司『檻囚』&松本俊夫『母たち』

ゲーテ・インスティトゥート東京の60周年を記念して行われるジャンル横断的なシリーズ企画「unrest 62|22」(変動の時代)がスタートするのを機に、映像作家の小田香とシルヴィア・シェーデルバウアーに新作短編映画を委嘱しました。1960年代そして現代と向き合い、不安と焦燥に満ちたこれらの時代を今日的視点から考察する作品です。二人の作家は更に自身の芸術的な取り組みに深く関係する、1960年代の参考作品を選出しました。これらの参考作品である寺山修司の『檻囚』と松本俊夫の『母たち』を、委嘱作品のプレミエ上映(19時30分より)に先立って上映します。2プログラムを通してのご鑑賞をお勧めします。

寺山修司『檻囚 』(シルヴィア・シェーデルバウアーによって選出)

劇作家、演出家、詩人であった寺山修司の最初の映像作品。11分間のなかに、全く関連性を持たない複数のイメージやショットが、特異なカメラワークと色彩、音楽によって連鎖されていく。鉄扉を殴り続ける男、半裸で体操を延々と続ける2人組の男、山羊を追って野原を彷徨う男、魔方陣の中で立ち続ける男、川原で歩き回る女、中空に投げられ落下する振子時計、金歯を出して犯される老婆、そのシュルレアリズム的な表現は、その後に続く寺山映画の出発点となるとともに、日本における新たな映画運動の一翼を担った。撮影から2年後に公開されている。

監督・脚本:寺山修司、撮影 :立木義浩、音楽 :J・A・シーザー、出演 :ミスター日本 / 立木義浩 / 大山デブ子 / 竹内健 / 石原裕子
日本、1962-64年、11分、デジタル(オリジナル16㎜)

ゲーテ・インスティトゥート東京の特集の解説より
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