これはとてもとてもとても良い。
英国好きとしては最高に良い。
とにかく監督の才能が凄すぎる。
キャスティング、台詞、ロケーション、音楽、カメラワーク、光の影、全てに惚れ惚れしちゃう。
匂いが画面から伝わってくる。
草の匂い、水の匂い、海の匂い、お酒の匂い、古き良き建物の匂い、異国の匂い……4Dですか!?と思うぐらい、匂いが画面越しに伝わってくる。
光の入り具合も物凄く繊細で、ただでさえ美しい場面なのに光によって美しさが際立っていて、まさに芸術。
映画を観ているんだけれど、美しい絵をぼんやりと眺めているような、そんな作品だった。
ストーリーは、切なくて、どうしようもなくて、ただ全員が幸せになってほしいと願ってしまうような物語。
ストーリーの主とした人物はマシュー・グード演じるチャールズなんだけど、ベン・ウィショー演じるセバスチャン、ヘイリー・アトウェル演じるジュリアが中心人物として存在していて、順番にスポットライトが当たっていき、3人が成長して大人になり、自分の人生を歩んでいく姿を見守るような展開になっていた。
身分による苦しみ、宗教による苦しみ、友情の苦しみ、愛の苦しみ、個々が持つ様々な苦しみが上手く表現されていた。
登場人物全員が良い人で、みんなが暖かい心を持っていて、けれど、この時代のイギリスでは苦しみながら生きるしか方法がなかった。
一言では表せない、とても感慨深い映画でした。
人生の最後に思いたい
精一杯前向きに生き抜いた
幸せだったと