茶一郎

琥珀色のキラキラの茶一郎のレビュー・感想・評価

琥珀色のキラキラ(2008年製作の映画)
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 琥珀色のキラキラしたもの、何でしょうか。
 これは何と、おしっこの入った尿検査の入れ物。驚くことに今作は「尿検査」から始まる家族映画。そして、尿検査スタートかつ、たった30分の映画なのに、これ程なく涙を絞り取られる感動的な作品という。

 文化庁若手映像作家育成プロジェクト(NDJC)に選出された、中野量太監督による短編作品。
 かのチャップリンの言葉「クローズアップで見れば悲劇。ロングショットで見れば喜劇」の通り、一見、コミカルな状況が絶妙にシリアスな事件になる。

 タイトルの「琥珀色」は事件の発端となる「おしっこの色」、そして新しい家族の誕生、家族の再構成を照らす「朝焼けの色」でもあった。
 美しい、家族が家族になる映画です。
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茶一郎

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