刺激的な吉田監督作品の中では、殺人や酷い事故がないので、やや観やすいかも。
人を赦すという事についての映画。重さは違うが最新作『空白』にも通ずる。赦しても手遅れ、でも赦せば何か救われるという構図は、凄い現代的だ。
邦画史的には、演技、ルック共におそらくクライマックスの堀北真希をカットアップした作品としても意義あり。もう見られない女優さんですから。映画が偶然に、人の最高の瞬間を記録していた例のひとつ。
バイプレイヤーとして有名な温水洋一も、本作の演技が個人的にはベスト。
こちらの期待を一歩も踏み外さない「憎めないダメ男」を演じる松田兄も素敵。2022年、捕まるな逃げ切れ!