たと

野獣死すべしのたとのレビュー・感想・評価

野獣死すべし(1980年製作の映画)
4.1
刑事が松田優作演じる伊達に目をつけた理由や、共犯者を見つけるタイミング、銀行強盗すればそこでお互いに好意を寄せている人と居合わせたり、強盗後の電車で刑事に出逢う等々あまりに御都合主義に運ぶプロットに鼻白む感を抱いていたが、やはりリップ・ヴァン・ウィンクルの話のシーンから空恐ろしい演技を見せる松田優作を楽しむ映画なんだと感じた。どうしても演技には思えず、あっち側の人に見える。

『ラストシーンは日本映画の中で最も難解なシーンの一つとされている』(wikipediaより)が、明らかにリップ・ヴァン・ウィンクルの話をし始めた辺りからイカれて来ているし、撃ったはずの刑事が出てきたり、そもそもコンサート後ただ一人が寝込んでいる事も考えにくい(コンサート会場の誰かしらが声をかけるか、帰り際の音で起きるだろう)。また日本で(少なくとも公権力に)急に撃たれる事も考えられない。なぜ刑事が出てくるかを考えると伊達にとって刑事は自分の罪状を知る唯一の人物であり、過去を知る人物だ。ありていに言えば過去に罰せられたか?

※あとラストカット、何かで引用されていた気がする。MVだったかで
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