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愛の流刑地のtheocatsのレビュー・感想・評価

愛の流刑地(2007年製作の映画)
3.0
脚本にはほぼ納得。配役に若干の違和感あり

被害者母親:富司純子の殺害前日の娘の様子証言、閉廷前の犯人:豊川悦治の最後の発言、服役後に届いた亡き愛人:寺島しのぶからの手紙で全てはそうなるように〝彼女”によって仕組まれていたことが腑に落ちる形で納得できる。

豊川が自ら弁護人の法廷戦略を直接否定しておきながら、法廷判決がもし嘱託殺人となっていたらギョッとしただろうが、判決内容と量刑という点でも違和感なし。

主役豊川は良しとして、気になったのが脇役として同質同レベルと個人的な印象を持っている中堅男優陣の重複感で画面が飽和しているように感じたこと。
勿論その中でも主役級脇役級とか映画的序列はあるのだろうがスター男優が多数揃い過ぎると豪華というより鬱陶しくなるということ。まぁこれは難癖かもしれないね笑
でも陣内孝則の弁護士役は不適合だったかなという思いはあり。

もう一つは長谷川京子ハセキョーが検事役という点。最初のシーンからエロサを芬々させ何なんだ???と演出の趣旨が分からなくなる。
上司検事の佐々木蔵之介と不倫関係という事情があるらしいが、それゆえか法廷でもズバズバ豊川を責め立てることが出来ず、一言でいえば「弱い」演技。
その弱さはハセキョーの演技力の拙さの表れのようにも感じられ、実はいつ破綻するのかこっちがハラハラしていた。
ハセキョーと寺島しのぶは配役が逆の方が良かったんじゃないか?なんて思ったりもしたが、あの濡れ場を引き受ける度量が当時の事務所にはなかっただろうし、ハセキョーも豊川の愛人役を寺島しのぶのように演じ切ることが出来ただろうとは想像できない。
もうちょっとスパスパ歯切れがよくメリハリある検事を演じてくれれば文句なしだったのだがとそこが惜しまれる。


映画の出来という点では普通に良しという感じ。総評三ツ星


もう一つ大変気になったのが容疑者と弁護人の接見室がちょっと今まで見たことがないような網目だらけのしきりになっていたこと。豊川と娘の接見なんて指を出せば触れることも可能だったが、あの感じは絶対ないよなぁ。

022008
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