クライマックスのホラー的演出や、クレオパトラの成れの果てを考えると、
もしかしたらトッド・ブラウニングは他意のない、見世物小屋的ホラーを作ったつもりだったのかもしれない。
けれど図らずも結果的に人間の内面的な醜さを浮き彫りにした辛辣な映画になったんですね。
作家の意図を大きく超えて、いまだに色あせることのない名作として評価されているというねじれた事実にこの映画の歴史的価値を感じます。
「X-MEN」や「わたしはロランス」といった、〝人と違っていること〟や〝差別〟を描いた映画の原点と言えるのではないでしょうか。
ハンスとフリーダのその後を描いたエピローグがカットされたヴァージョンもあるようでこのシーンがあるとないとでは映画の印象も違ってくるでしょう。