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化身のodyssのレビュー・感想・評価

化身(1986年製作の映画)
3.0
【男女雇用均等法元年?】

BS録画にて。

渡辺淳一の原作(読んでないけど)で、結婚歴のある中年の文芸評論家(藤竜也)と若い女(黒木瞳、このとき25歳)との関係を描いた作品、ていうと何となく筋書きが分かるような気がしたのだけれど・・・

前半は、架空の話としてはまあ面白い。
中年の文芸評論家は、評論家として売れている。駅で女性からサインをねだられるシーンがあるけど、文芸評論家でこのくらい人気があるっていうと柄谷行人クラスかな(笑)。

彼は京都の大学で非常勤講師も務めている。妻(三田佳子)とはとうに別れているが、大学生の娘がいて時々会っている。愛人(阿木燿子)がいて、最初の当たりに彼女とのベッドシーンあり。自宅には老母(淡島千景)とお手伝いがいるけれど、父の遺した別荘があるので愛人と逢うときはそちらを使っている。友人とキャバレーに行って、そこで源氏名さとみ(黒木瞳)という若いホステスと知り合う。そして・・・

いくら人気があるっていっても、所詮は文芸評論家、こんなにゴージャスな暮らしができるのかなあ、と疑問に思うが(文芸評論の本なんて、村上春樹と違ってそんなに部数が出るもんじゃないからね)、まあそこはフィクションの世界だし、中年男の夢を語っていると思えば腹も立たない。

文芸評論家は女を囲うため高級マンションを借り、外車を買ってやり、店を持ちたいと言い出した彼女のために借金までしてしまう。

このあと、女が若い男に走るのかな、と思って見ていたのだが・・・・

思うに、この映画が作られた1986年という年代が案外重要なんじゃないか。
つまり、1986年とは日本で男女雇用均等法が施行された年なのだ(制定はその前年)。
そう考えれば、後半の展開も、まあ分からないでもないでしょ。いや、それでもちょっとどうかと思うけどね。

作品最初のあたりの阿木燿子のベッドシーンがなかなかいい。これに比べると黒木瞳は、おっぱい(小さめだけど、私はこのくらいが好き)はさらしているけど、ベッドシーンが案外つまらない。若くてキレイなうちに頑張っておかなきゃダメでしょ、黒木さん!
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