排路

淪落の女の日記の排路のレビュー・感想・評価

淪落の女の日記(1929年製作の映画)
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ルイーズブルックスが感化院を抜け出すとき、仲間たちがみんなで指導員たちを抑えたり、日記を投げ合ったりするシーンの横移動がよかった。仲間のうちの1人が指導員のようにドラをたたいて指揮する姿の過激さとか、そもそもの指導員のダークなデフォルマシオン(指揮することにエクスタシーを感じたり、女子から没収した口紅を試し塗りしてついでにハートを描いたり)が、なんだか虐げられる側の連帯を直線的に感動に繋げさせない感じがする。
その他、基本的に多くの登場人物がモニカ・ヴィッティ並に物質の静けさに返る身体をさまざまな形で露呈させているが、特にルイーズブルックスが泥酔してキスしたままダンス相手に身体を委ねる姿が死骸のようでゾッとした。
1番感動したのは、育て親の未亡人の子にハグを求めようとしたところ。ハグって大事だなと思った。双方向性がいい。そして少年のような笑顔を見せるルイーズブルックスの自然体がいい。
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