ろく

なま夏のろくのネタバレレビュー・内容・結末

なま夏(2005年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

鮒釣りは鮒に始まり鮒に終わる。

この映画は自慰に始まり自慰に終わる。以上レビュー終わり。

ってわけにはいかないのでレビューを。もういろいろと迂闊なんだよ。確かに監督デビュー作だし吉田の「気持ち悪い」とこは良くでているのよ。でもそれを補強するリアリティが圧倒的に足りないんだ。

例えば
病院で隣同士になるってまずありえないわけ。そもそも病院は男女を大部屋では分けてやるの。それなのにこの映画では男女混合。そんなわけあるって感じになるの。

あと首から血が出ている状態で生き残るってのもね。間すっ飛ばして病院のシーンなんてまたおかしいじゃん。あれだけ豪快に出ていたら普通死にますって。

さらに電車のシーンではなぜこれだけの衆人環視の中で主役の男性は捕まらなかったのって疑問もあるの。いや下、血でびしょびしょになっているのに誰も関心を持たないってそんなバカな。

そう、監督が「撮りたいこと」を重視するあまり現実の「それ」を深く考えていないのよ。だから見ている僕らは置いてけぼりな感じになってしまうの。いや、そんなことは問題ではないんだよ、そう監督は言うかもしれない。でもそれに対して僕はこう言う。「でもそれ思っているのってあなただけですよね」って(ひろゆきか!)

それに比すると「空白」や「神は見返りを求める」はだいぶそこのバランスがついてきたなぁと感じ、よくも悪くも本作は処女作なんだと観ていてしみじみ思ってしまった。これに良い評価をつけることはできないけど、監督のエッセンスみたいなことは感じるので、それでいいのかもしれない。

それにしても蒼井、脱ぐのかと思っていたら最後まで脱がなかった。そこは残念(残念なのそこかい!)
ろく

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