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美輪明宏ドキュメンタリー 〜黒蜥蜴を探して〜のSariのレビュー・感想・評価

3.5
美輪明宏。16歳でプロの歌手となり、以後、音楽・演劇・映画など幅広いジャンルで活躍。寺山修司、三島由紀夫ら多くの才能から愛され、今もカリスマ的人気を誇る唯一無二の存在である。
本作は、映画『黒蜥蜴』に魅せられたパスカル=アレックス・ヴァンサン監督が、美輪へのロング・インタビューを中心に、その人生を描いたドキュメンタリー映画。

黄色に染めた髪をなびかせ語る美輪は、華麗にして妖艶。しかし、そこで語られる人生は、すさまじい努力と挑戦の連続でもあった。同性愛者であることは、世間体と商売上、現代以上に隠さねばならなかった時代だが、雑誌のインタビューでカミングアウトをしたエピソードも語られる。人気を決定づけたのは、江戸乱歩原作・三島由紀夫脚色の映画『黒蜥蜴』。監督の深作欣二が当時の逸話を語る。60年代後半、時代の寵児となった美輪を回想するのは、横尾忠則。そして宮崎駿監督作『もののけ姫』の声優出演時の模様など貴重な映像を交え、美輪の実像と活動の歴史にせまる。

2019年、寺山修司原作『毛皮のマリー』演出・美術・主演を担当した美輪明宏の舞台を鑑賞した記憶が懐かしく蘇る。
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