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LIFE!のTELのレビュー・感想・評価

LIFE!(2013年製作の映画)
2.9
<クリエイティブに溢れる工夫はスゴイ>

クリエイティブに溢れ、美しいビジュアルが満載、、、だけの映画でした。正直面白くなかったです。

映画冒頭の配給会社名や関係各社をクレジットする際に、単に画面に文字を出すのではなく主人公が歩いている街の看板や道路標識にさり気なく写しているところにものすごいクリエイティブな感性を感じます。あらゆる場面一枚一枚に何らかの工夫が施されている面白い映画ですね。

また、映画は現実世界の場面を写していたかと思えば急に主人公の妄想が映像となって映しだされたりと、どちらが現実でどちらが妄想なのかを考える面白さもあると感じました。むしろストーリーが進むにつれて、グリーンランド沖合にてヘリから海へ飛び込むシーンやアイスランドの広大な自然の中をスケートボードで駆け抜けるシーンなどなど、すべてが妄想オチなんじゃないかと思ってしまうような演出だったと思います。

ストーリーは、休刊に追い込まれたLIFE誌の最後の表紙に使う25番のネガが社内に無く、それを世界各国を放浪しながら写真を撮り続けている写真家に直接会いに行き貰ってくる、、、というもの。そんな広大な旅に出る主人公に巻き起こる様々なアドベンチャーが面白くもあり感動的でもあるわけです。

ただ、おそらく監督たちスタッフ側の考えでは最後の最後に見つけ出される25番のネガをLIFE誌の表紙に使い、ラストシーンでそれを見る主人公の表情を通じて感動を描きたいと思っているのかもしれませんが、それまでの話が悪く言うと意味がわからない展開が多く感情移入できなかったのでそこまで強い感動を得ることはできませんでした。クリエイティブな演出や美しい映像にストーリーが完全に負けてしまっている全体的に薄っぺらい映画だったと思います。

なんというか、この映画の公演成績はある程度達成できると思いますが、所詮は宣伝勝ち、PV勝ちでしょう。中身がなく面白みも少ないけど、「なんかよくわからないけどなんとなく面白そう」というイメージを広告宣伝にて伝えることができているような気がしますので、それが勝因たるPV詐欺的な映画です。

というわけで、クリエイティブな工夫や美しい映像を見たいのであればかなりオススメですが、映画はストーリーだ!といった考えをお持ちの方は見ることをオススメしません。いっそのこと、完全にコメディとして作ってくれていればもっと面白かったはずです。


※この映画のジャンルは「コメディ」だと感じてます。
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