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スティーブ・ジョブズ1995 〜失われたインタビュー〜のsaorinoのレビュー・感想・評価

3.5
■60分間、ジョブズの思考回路を覗く。

「一年間プログラミングを学べば、だれでも考える力がつく」「慣例に縛られ、適切な判断ができない人材は多い」と語るジョブズは、だれにも経営のノウハウを教わらなかったらしい。弱冠21歳にして、すべて自分の脳みそで考え、成功への道を切り拓いたのだ。

「人間はできないことが多い。だが道具を持てば、人の可能性は無限に拡がる。」開発を重ね、不器用な天才たちと共に創ったコンピュータは、どの強豪も太刀打ちできないほどの存在になった。彼らにとってMacは財産であり、表現そのもの。今やアップルは、唯一無二の価値を武器に業界を率いている。

本作は映画というより、ジョブズの声を途切れることなく聞ける貴重映像といえよう。しばし考えたかと思えば鋭く切り返し、ときに少年のように目を輝かせて創業当時の想いを話すのを眺められる。今も生きているかのようなジョブズに、背中を押された気がした。
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