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愛の新世界のakrutmのレビュー・感想・評価

愛の新世界(1994年製作の映画)
3.2
SMクラブで女王様のバイトをしている劇団員の女性レイと、ホテトル嬢をしている玉の輿を夢見る女性アユミの日常を描いた、高橋伴明監督のドラマ映画。原作は、島本慶と荒木経惟による同名のエッセイ写真集。アラーキーは本作の冒頭でもレイを撮影するカメラマンとして出演していて、実際にレイを演じた鈴木砂羽の写真集を出版した。

サービス内容が多様化するとともに、普通の女性が風俗嬢として働くようになった70年代後半から80年代の風俗界を描いているという点で、今の時代から見ると、フィクションでありながらも資料的な価値はあるだろう。本作が初主演となる鈴木砂羽の、文字通り体当たりの演技やヘアヌードも見どころである。一方で、レイが所属する劇団が稽古を重ねながら公演日に至るメインストーリーは存在するが、内容的には大した見どころはない。公衆便所化している設定もちょっと好きになれない。あくまでも二人の風俗嬢の、普通の若者と変わらない何気ない日常をノンフィクション風に描いた作品と割り切るほうがよい。

劇団員として、松尾スズキをはじめとした大人計画の(若い頃の)面々が出演している点も見どころかも。クドカンが俳優として出演している。萩原流行は、もうこの頃からコメディアン化していたのか。
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