CHEBUNBUN

her/世界でひとつの彼女のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)
4.0
【今観ると面白すぎる】
動画版▼
https://m.youtube.com/watch?v=jFDWOgU7wzY

再観メモ:
初手から音声入力で手紙を書いていて熱い!

最近だと、音声入力で執筆している人が増えてきているから「時代」!ってなっている。

街中の人が独り言をしているようで通話している状況の違和感はここ十年で大分弱まりましたね。

ホログラムを使ったゲームはまだ主流じゃなくて、メタバース止まりって感じですね。ゴーグルなしで楽しめる時代はもう少し後かもしれない。

AI音声での対話はどちらかというとASMRを想定しているような印象を受ける。想像力を意識させるため、画はないといった感じだが、実際にはAITuberのように画は必要なのが今なのかもしれない。実際にVTuberのASMRにおいて画が重要なように。

映画だとOSとしてAIが用いられているから、一般的な米国テック企業の流れに沿ってシンプルな作りになっているのだろう。これが動画やSNSの話ならアバターがついていたんじゃないかなと考えられる。

OSの作りが凄くいいな。デジタル特有の無味無臭感を取り除き、物質的なものとして執筆したものが管理されていく。それをAIと対話しながら仕分けていく。ライターとChatGPTとの関係性のありかたの参考になる。

ゲームのキャラクターがAI「サマンサ」と何気に対話しているのが凄い。確かに、テレビの音声に反応して応答することあるのでそこまで想定しているところにゲイの細かさを感じる。

それにしても妻と別れた喪失感を30分足らずでAI が癒すっていう設定が斬新だな。そう簡単に癒えないだろうというよりか不気味の壁を前に葛藤するんじゃないかなと思う。

AI音声と激しくセックスする場面あって草。想像以上にエロい映画だったことを思い出した。

物理メディアを完全に否定していないところがまたいいな。主人公のデスクには紙があり、必要に応じて使い分けているところがリアル路線のSFといった印象を受ける。

個々のAI体験の話なので、より孤独になるのかと思いきや、その経験をシェアすることで親密になる場面があって意外だな。資本主義においてマスを取り込むことが前提となるが、パーソナルとマスの共存ができている世界がそこにはある。
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