じゅぺ

インターステラーのじゅぺのネタバレレビュー・内容・結末

インターステラー(2014年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

クリストファー•ノーラン監督の最新作!公開前からめちゃくちゃ期待してたので、なるべく事前情報はシャットアウト、ネタバレは絶対踏まないようにしてました笑
肝心の中身はというと、基本はSF映画でありながら、その本質は愛の物語となっており、各登場人物の心情をとても丁寧に描いています。同じくノーラン監督作の「インセプション」に似た印象を受けた方も多かったと思いますが、SFの設定自体はインセプション以上に難解だったと思います。ある程度SFに慣れているか、あるいは相対性理論とは何ぞや?をちょっとでも知っておかないとついていき辛い部分があるかもしれません。「ブラックホールの地平線って何だ!?」とか悩み始めると置いてけぼりを食らいます。少し不親切な気もしますが、これより上映時間伸ばされると観てる人の膀胱がもたなくなるでしょう笑 たしかに設定はややこしいと思います。ですが、それを受け入れられれば、この宇宙を舞台にした壮大な物語にみなさん圧倒されたと思います。たとえば、初めの惑星探査から宇宙船に帰還すると、23年間待ち続けていたロミリーに再開します。彼の白髪と頭皮の面積(!)が増えていることで、23年という月日の重さ(これは直後のシーンのビデオレターで更にずっしりと感じられますね)とロミリーの苦労がわかります。壮絶ですよね。宇宙って僕たちのいる地球とはなにもかも違うのだと、改めて気づかされます。他にもワームホールの描写、氷の惑星、ブラックホール、五次元空間などなど、たくさんのシーンが挙げられますね。その圧倒的な迫力と美しさが観る者の心を揺さぶります。人間って宇宙に比べたらどれだけ小さい存在なんだろうかって、思わず悩んでしまいます。そして宇宙はただ綺麗なだけでもないんです。クライマックスで皺くちゃのお婆ちゃんになったマーフィーと、出発した当時のままのクーパーが再会しますが、時間の流れは、宇宙はあまりにも残酷で無慈悲です。感動的な場面ですが、同時にふたりを隔ていた時間の差はあまりにも大きかったのだと、絶望もさせられました。
しかし、人間は単なるちっぽけな存在、というわけでもないんです。絶望的な未来を変えようと、希望を捨てずに戦い続けます。あまりにも辛い運命に屈した人もいました。それはブラッド教授だったり、マン博士だったりします。特にマン博士、相当酷い笑 観ていてかなり不愉快ですが、あれだって人間の一面なんだ、とも言えます。保身に走り、理性を失う。誰だってああなり得るんです。だけど、そういった利己性はただの一面であって、人間の全部ではない。アメリアは中盤「愛は時空を超えるんだ」と語ります。アン•ハサウェイが言うからなんだかとてもロマンチックでエモーショナルに感じられますが、つまり、この茫洋で不可解な宇宙に人間が唯一勝てるのは、そういう「愛」の気持ちなのでしょう。クーパーも子供たちのため、娘との再会の約束を果たすため、最後まで戦い抜きます。「親は子供の記憶の中に生き続ける」という言葉も劇中に出てきますが、なにより、最後の印象的な場面が本作のテーマを示しています。愛を信じたアメリアの判断、恋人のいる惑星こそ人類の未来の家なんだ、という判断は決して間違いではなかった。彼女の感じた愛は正しかったのです。これこそ、この映画の本当に伝えたかったメッセージなのでしょう。
ほかにも書きたいことはたくさんあるのですが、キリがないのでこのへんでやめておきます笑 とにかくいろんな人に観て欲しい映画であり、僕が観た中では今季ナンバーワンです!
じゅぺ

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