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旅人は夢を奏でるのkazuかずのレビュー・感想・評価

旅人は夢を奏でる(2012年製作の映画)
4.7
北欧フィンランドを代表する映画監督アキ・カウリスマキの兄ミカ・カウリスマキ監督作品。

ピアニストとしては成功しているがプライベートでは失敗し妻からも見放された男ティモ。彼の前に突然、35年前、3歳の時に消えた父親が現れる。見た目も行動も破天荒な父親から強引に旅に連れられ、その道中でティモが知らなかった過去を知り、人々と会う事で父と絆を取り戻し自分の不甲斐なさからも抜け出していく。。

この映画の凄さは、よくある家族再生の話と思いきや、父親が何故突然現れたのかというストーリーの根幹が最後の方まで明らかにされません。その謎が分かった時、あっ!と驚くとともに、バッドエンドとハッピーエンドを両方持ってくる展開にもう感心するしかありませんでした。

今年公開されたアレクサンダー・ペイン監督の『ネブラスカ 2つの心をつなぐ旅』も父と息子の絆の再生を描いた作品でしたが、本作も根幹は同じです。音楽を通した力、サスペンスフルで謎に満ちた展開をはらんだ内容にしたミカ監督の演出も素晴らしい。

ロードムービーが大好きなんですが、また心に残る作品が増えました。映画って素晴らしいと心底思える作品でしたね(^-^)男女問わず、めちゃめちゃオススメです。
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