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パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間のshunsukehのレビュー・感想・評価

3.5
とても、引きつけられた作品。この映画は、ある仮説をもって、新しい真実を暴いたり、謎を解いたりするものではない。いくつかの場面や時間軸で、起こったこと、人がとった行動、話したことを綿密に描いたものだ。想像だが、脚色無しのありのままを再現したいという強い欲求のもと、多くの取材を重ねたのではないだろうか。そして、もし、その場面にたまたまハンディのカメラがあって撮影していたとしたら・・・、特に、病院での救命のシーンはそれを想像させる迫真のものとなっている。この映画は、このように人に大きなインパクトを与える出来事なら、それを綿密に描くことだけで、見応えのあるものになる可能性があることを証明していると思う。ただし、この映画は、作り手がこれを伝えたい、これを感じて欲しい、というような具体性はなく、加工されていない生の素材をドンと置かれたようなものだ。ケネディとオズワルドの救命場面と葬儀場面が対比的に描かれているが、それすら、恐らく、事実の提示でしかなのだろう。この映画を自分の心の中で寝かせたら何が浮かんでくるのか、それを待つ気になる映画である。
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