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罪の手ざわりのクリームのレビュー・感想・評価

罪の手ざわり(2013年製作の映画)
3.8
今から10年程前の作品です。急激に変化していく中国社会で実際に起きた4つの事件から着想を得て作られ、オムニバス形式で描いています。変わり行く中国の変化に乗り遅れた人達の足掻きを赤裸々に、日本のニュースでは見えて来ない部分が覗けて、面白かったです。

プロローグは、重慶市の男チョウの話から始まり、山西省の男ダーハイ、チョウ、湖北省の女シャオユー、広東省の男シャオホイと続き、エピローグはシャオユーで終わります。



ネタバレ ↓



·山西省の男 ダーハイ
ダーハイは、皆が豊かになれるはずだったのに一部の人間だけが取引をし富を得たのは不当であり、許せないと爆発します。自宅から猟銃を持ち出し、1人1人至近距離でぶっぱなし、関係の無さそうな従業員や社長の妻等も容赦なく殺し、何事も無かった様にその場を立ち去って行く。
·重慶の男 チョウ
冒頭、山で強盗に会い、相手を逆に銃で撃ち殺した男。妻と息子を残し、出稼ぎに出ていたが、母の70歳の誕生祝いに現れます。妻に大金を送金していて、心配する妻は、もうやめて欲しいと言いますが、男は再び仕事に行き、銀行から出て来た夫妻を白昼堂々銃殺し、現金を奪い、その場を立ち去って行く。
·河北省の女 シャオユー
不倫相手の男が煮えきらず、半分諦めた女。風俗サウナの受付として働いている。 不倫相手の妻が男を連れてやって来て、旦那に手を出すなと男達に暴行を受けた。ある日、客2人がマッサージをしろと言う。自分は受付だから、そう言う事はしないと言うと揉み合いになり、襲って来た男をナイフで滅多刺しにして、血だらけで消えた。
·広東省の男 シャオホイ
勤務中に同僚に話し掛け、怪我をさせた為、彼が治るまで、上司は働いた分の給料を同僚に渡すと言う。シャオホイは、逃げ出します。トングァンで香港や台湾からの客を相手にしたナイトクラブで働き、そこでリェンロンと言う女と出会い、彼女に恋する。彼女が客の奉仕する姿にショックを受け、工場で働き始めるが、母からの金の催促の電話や前の職場の同僚からの暴力等で、団地から飛び降り自殺した。
ラストは、シャオユーが職業面接にシレッと参加するシーンで終わる。

中国の変化に取り残され、生き辛さに犯罪を犯す者達、トラブルに巻き込まれ人を殺してしまう者、耐えきれず自殺する者。実際の事件が背景にあり、激しめのバイオレンスで観せてくれるので、飽きずにリアル中国が知れて楽しかったです。
作中で、気になった点が2つ。
食事の時に生のニンニクを皮を向いてそのまま食べていました。中国では普通の様で、ネギも丸かじりらしい。
そして、私の大好きなサウナは、普通のと風俗サウナがある。風俗の方のサウナは日本で言うソープみたいだ。日本と良く似たコスチュームプレイの店もあり、何処の国もそう言う需要はお盛んな様です。

*のんchan、ありがとう♡
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