Goemon

7番房の奇跡のGoemonのレビュー・感想・評価

7番房の奇跡(2013年製作の映画)
4.0
素晴らしい映画でした。
みんな演技が上手いですね。
コメディシーンがかなり挟まれており、個人的にはもう少し自分がシリアスな気持ちになりたかったので笑、減らしてもいいかなと。

ヨングとイエスンの幸せな生活をいつまでも見ていたかったですね。
子どもにとって親は絶対的な存在で、別に犯罪者だからだめとかってないんですよね。
ヨングは無罪ですが…

結末はリアルだなあと思いました。
法的な手続きに則って進んでいくので、結果も結末も納得はできます。
膨大なる犠牲のもとに、制度は変わっていくということですよね。
日本も人質司法と自白強要で、どれだけの冤罪が生まれたのだろうかとか思わされます。

仲間たちもイェスンもあの後も闘い続けてくれたんだなあと思って、泣いてしまいました。
被害者が闘わなければならない、この民主主義の枠組み内での制度なども、他にやりようがあるのではないかなどと思います。
しかし、結局は制度論もトレードオフの話になってしまうため、犠牲が解消されたかに見えてまた新たな犠牲が生まれるといった展開に終始してしまうのでしょう。

やはり犠牲は犠牲でも、アナキズムやリバタリアニズムに則ったものの方が納得できる気はします。

脱線しましたが笑、本作も一生懸命な感じとか真剣さを茶化さない感じがあるところがいいですよね。
韓国映画が特別好きというわけではないのですが、僕がほしいのは未満警察ではなくてミッドナイトランナーなんですよね。
生きるっていうことのリアリティとか、生生しさとかを感じたいです。
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