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ソウルガールズのmappiiのレビュー・感想・評価

ソウルガールズ(2012年製作の映画)
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ポップなポスターとは裏腹に、考えるべきことがたくさん詰まったメッセージ性の強い作品だった。

学校の授業で白豪主義については習うし、趣旨は分かるけど、具体的に何が行われてたのかよく知らなかった。
アボリジニは、1967年まで市民権がなかっただとか、肌の白いアボリジニは“盗まれて”、施設や白人家庭に入れられるだとか、アメリカとは違う差別があったことに驚いた。
そんな“盗まれた”アボリジニの人がサファイヤズにもいることで、残された人、引き離された人、両方の思いが見えたのはなかなか良かった。勉強になった。

人種問題だけでなく、ベトナム戦争やキング牧師の暗殺など、歴史的に大きな出来事にも言及されていて、映画の舞台では少ないオーストラリアの視点と自分の視点とを重ね合わせながら、考えさせられた。

言葉にするととっても堅苦しい作品のように見えるけど、全くそんなことなくて、パワフルなソウルミュージックを純粋に楽しめた。
女声四声のハーモニーもめちゃくちゃ美しくて、心地良くて、観ていて楽しかったな。

まあ、ちょっといろんな要素を詰め込みすぎてて、中途半端というか、薄っぺらくなってる印象は受けたけど…
不完全燃焼のまま、物語が展開していっちゃう感じ。
オーストラリア版「ドリームガールズ」っぽかったです。
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