鋼鉄隊長

極地からの怪物 大カマキリの脅威の鋼鉄隊長のレビュー・感想・評価

3.0
購入したDVDで観賞。
プロップ特撮作品。

カマキリ怪獣となると日本人としては、『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』などに登場した両刀怪獣カマキラスが思い浮かぶだろう。カマキラスは「操演」と呼ばれるピアノ線で操作する特撮技法によって演じられており、その完成度は同作に登場する大蜘蛛怪獣クモンガと並んで今なお高い評価を受けている。それと比べると今回の作品は、『ゴジラの息子』より10年早く作られていることを考慮しても、やはり関節の動き等の粗さが目立つ。
脚本面にも多少問題があり、この作品では前半約40分が、怪獣の正体に迫る謎解きパートととなっている。しかし、これが冗長に感じる。そもそも原題が『THE DEADLY MANTIS』な上に、冒頭で氷付けされたカマキリが映っているので怪獣の正体はバレバレである。それなら最初から謎解きなどしないでカマキリが暴れ回ってくれたほうが面白かった。
散々な評価をしているが、物語部分は無駄な人間ドラマを省いて、怪獣との戦いを描いてくれているので最後まで楽しめた。特に終盤のマンハッタン・トンネルでの最終決戦は、モンスター・パニック映画の傑作『放射能X』を彷彿とさせて面白い。怪獣好きなら一度は観ても良いかもしれない。
鋼鉄隊長

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