あかねちん

それでも夜は明けるのあかねちんのレビュー・感想・評価

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
4.0
上映時間は134分だが奴隷生活は12年...考えただけでも悍ましい。自由黒人が白人に騙され、拉致され12年間奴隷にされた実話を元にした話。

この映画を知る前は自由黒人という存在自体知らなかった。自由な生活を送っていただけに奴隷生活は想像を絶するものだろう。今自由な状況にいる自分が奴隷になれと言われたら正直、死んだ方がましだと思うし...。

その過酷な状況にも家族のため、自分のために立ち向かっている主人公の姿、そしてあのアカペラで奴隷たちが弔いの意味を込めて歌うシーンには希望や力強さを感じたが、ラストのシーンを考えるとなんか腑に落ちない。"主人公はいいけど他の人はどうなのさ!"という思いがラストもやもやっとしてしまった。

主人の命令に従い同じ奴隷同士が傷つけあい、黒人奴隷と白人の主人だから思いが伝えあえないのも切なく、矛盾や理不尽さを生み出すこの奴隷制度と社会情勢の制約の強さを感じた。奴隷が奴隷を助けるという行為はあの時代は無理なのだろう..やっぱりこういう理不尽な感じ嫌だなあと思いながらもこういう事実を知れたのは良かったのかなあ。
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