No.3062
主演のリヴァー・フェニックスが1993年、撮了前に亡くなったため、未完のままお蔵入りとなっていた幻の作品。
その後、大病を患い、自らの余命の長くないことを知った監督のジョルジュ・シュルイツァーが、現存している素材を元に、
撮影することができなかったシーンはナレーションベースにして素材をつなぐという、かなりの荒業と執念で完成させた。
2013年、実にリヴァーの死から20年を経て公開(日本での公開は14年)、
シュルイツァー監督は公開翌年、2014年9月に82歳で亡くなった・・・。
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未完なので点数をつけることは控えたが、ミステリアスで孤独の影に溢れるリヴァーは、なかなか興味深い。
冒頭から見るに、オリヴァー・ストーンの『Uターン』(1997)のような、オフビート不条理サスペンスなのかな、と思いきや、
ボーイ(リヴァー)の生い立ちや、住んでいる場所の特異性など、
もっと本作には深い意味や、社会性が込められていることは明らかである(そもそもタイトルが『DARK BLOOD』などという、意味深)。
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本来は世に出ることがなかった映画がこのようにして公開されることには当然、賛否があろうが(特にリヴァーのファンにとっては)、
ある程度残っている素材を(私はもっと少ない素材なのかと思っていた)、
そのまま埋もれさせておくのも、それはそれでもったいないな、世に出てよかったのではないか、と私は鑑賞して単純に思った。