湯林檎

アバウト・タイム 愛おしい時間についての湯林檎のレビュー・感想・評価

4.9
いくつか恋愛映画を観てきたけれどやっぱりこれが良い意味で1番安心して観られる恋愛系の映画だと感じた。
笑いありキュンとするラブシーンあり、そして涙がほろりと出てしまうようなシーンもありとてもバランスの取れた上質な作品だ。

次に登場人物が健全な人が多いのが良い。恋愛映画って性格悪い恋敵がいたりヒロインがメンヘラだったりすると色々な意味で観ていて気が疲れるけど今作はそんなことはなくみんな良くも悪くも人間味があるキャラクターで良い。主人公ティムはタイムトラベルが出来る以外割とどこにでもいそうな青年、ヒロインのメアリーは家庭的で実直で芯のある女の子というのがある意味普通っぽいけど個人的に理想のヒロイン像だった。というかメアリーが嫌いな人っていないのでは?というくらい万人受けするヒロインキャラだと思う。
因みに今となって映画中のカップルの中でも今作のティムとメアリーが1番好き。

タイムトラベルに対する複雑なパラドックスこそは描写されていないものの、"タイムトラベルで愛は手に入らないこと"と"そもそもの与えられた運命は決まっている"世界観なので観ていて特に違和感はなかった。(だってタイムトラベルで愛が手に入っていたらマーゴット・ロビー扮するシャーロットはなぜあの時振り向いてくれなかった?っとなるので)

何よりこの映画は単に恋愛や結婚に焦点を当てたストーリーではなく親子の絆や日常の生き方にも重点を置いているのでベタな恋愛映画が苦手な人でも比較的観やすいのではないかと思う。
湯林檎

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