このレビューはネタバレを含みます
「シーワールド」はシャチやイルカと調教師が実際に触れ合って観客にさまざまなショーを披露するテーマパーク。
2010年2月、そのシーワールドで、調教師が観客の目の前でシャチに襲われ、死亡するという事件が実際に起きたそうです。
このドキュメンタリーは、シャチやイルカをショーに使うシーワールドに対して批判的な立場で、その事件の真相を掘り下げていく映画です。
ドキュメンタリーは、基本的に中立な立場で描いていることはないと思ってるので、この映画の内容全てをうのみにするつもりはないけれど、個人的にとても説得力があると思ったのは以下の点でした。
・調教師がシャチに襲われた事件は過去に数十件もあるが、野生のシャチが人間を襲った事例は一件もない。
(なので、調教師が襲われる事件に対し、シーワールドには何かしら非があるはず。)
あと、「シャチやイルカの知能はとても高く、他の動物とは一線を画する」という心理学者の言葉も出てきて、
日本の捕鯨やイルカ漁にかなり敏感に反応する人たちは
きっとイルカやクジラをそういう風に考えているからそうなのかな?と思いました。
シャチやイルカのショーって、観たことなかったんですが
この映画の映像を見てると、本当に頭がいい動物だということはとても理解できます。
個人的には、「シャチは他の動物とは一線を画する頭脳と感情をもっている。だから、この事件はライオンが肉を求めて人間を襲うこととは全く異なるはず。」と言う観点がとても面白いと思いました。そういう観点をもっと強調して、この事件の特異性とか明らかになっていくのかなと思っていたし、そうなってほしかったんですけど、やっぱりシーワールド批判のため、シーワールド主任調教師の裁判での発言とかそういう方向にいったのはちょっとだけ残念でした。