kazマックスグローバーレッド

ブラックフィッシュのkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

ブラックフィッシュ(2013年製作の映画)
4.5
水族館で飼育中に数人を殺したシャチの真相に迫るドキュメンタリー。『ファインディングドリー』の内容変更にまで影響を与えた映画です。

1983年に子供のシャチが捕獲されティリクムと名付けられカナダの水族館で飼育される。先輩シャチ2頭と共に調教されるがティリクムが間違うと連帯責任で全頭罰が与えたられ、先輩2頭が彼をイジメる。これはもうシャチ界の『フルメタルジャケット』。そして『フルメタル…』の微笑みデブ二等兵がどういう行動に出たか…

その後フロリダのシーワールドに引き取られたティリクム、ここでも古参のシャチ達が連日ショーを披露していた。

ここで産まれたシャチをしばらくして別の水族館へ移す為に母親から引き離す上層部の決定とそれに反対する飼育員の確執。母親は今まで聞いたこともない声で一晩中泣き叫んでいて、金の事しか頭にない経営陣の道徳的に許されない行為に、はらわたが煮えくり返ります。

野生ではシャチが人間を襲った記録はなく飼育下では未遂事故だけでも70件、シャチの寿命は人間と同じだけど飼育下では35年ぐらいで、それを偽って来場客に説明するシーワールドのガイド達。

シャチにも全世界で文化圏があってエコー言語も違うのにそんな彼らを一緒にまとめたから、野生の群れにはない襲い合いで呼吸口から血しぶきを上げていたり、観客の前でプール浅瀬に上がるシャチを見ると2本の50cm程の切り傷から流血しいて、会場では「本日はありがとうございました、気をつけてお帰り下さい」と陽気なBGMが流れるシーンがシュール過ぎた。

まるでリアルジュラシックワールドで、昨今のどんな鮫映画よりもある意味怖いドキュメンタリー。まぁ今の鮫映画は頭が5個あったり空飛んだりしますから…