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キングス・オブ・サマーのEDDIEのレビュー・感想・評価

キングス・オブ・サマー(2013年製作の映画)
4.1
17歳夏、もう2度と戻らないかけがえない思い出。友人と3人で企てたひと夏の家出騒動は大人への通過儀礼。大人になり切れず背伸びする彼らが自ら何かを作り出し選択することで大きく飛躍する。甘酸っぱい恋愛も友情も表裏一体。こんな三角関係あるんだよね。

〈感想〉
いやぁ良かった!
いまTwitterメインに活動している#めーぶれという映画配信番組で次次回に取り上げる予定の作品がこちら。
次次回は7/24(日)なので、少し間があくなとは思ったんですが、ギリギリになって「やべー、観れてない」ってなるよりマシだと思い、いち早く観てみました。

齢わずか17歳の高校生たちがメイン。
ジョー、パトリック、ビアジオという3人は青春時代真っ只中ということで、家のことや学校のことでモヤってるわけですよ。
ジョーに至っては父親と強い確執ができてしまうんですが、それをきっかけに家出を決行。
変わり者のビアジオのアイデアも時に笑わせられるわけですが、そんな3人の不思議なほどに息の合った関係性がとても良いんですよね。

冒頭のシーンは映画の中盤でも再び出てくるんですけど、そのシーンがとにかく印象強くて。
息の合った3人を見せるにはもってこいな演出、そんな中で特異なキャラとして浮き立たせるビアジオの存在感。

多くの人が引き合いに出している『スタンド・バイ・ミー』ですが、それよりも一歩大人になりきれない高校生を描くことで、20代とか30代、40代の大人にも「こんな頃があったよな」という余韻に浸らせる効果もありつつ、今親になっているような人には何かを気づかせてくれる作用があるんじゃないかなと。

それが主人公のジョーと父親のフランクの関係性なんですよね。
ジョーがスカタンなので、フランクは彼を認めようとしません。
しかし、後半になるにつれてある出来事をきっかけに“大人の男(一歩手前だ)”と認めざるを得なくなるんですよね。
こんな父と息子の関係性ってのがすごくいいんです。

親友パトリックとのすれ違いや片思いで仲良しのケリーとの関係性とか。この辺りも描き方が巧くて、本当にこんな三角関係ってあるよなぁってこれまた浸っていました。

ケリー役はドラマ『ザ・ボーイズ』でスターライト役をしているエリン・モリアーティ。『ザ・ボーイズ』にもハマっている分なにか得をした気分でした。
彼女はあまり目立たないような男子に希望を与えてくれる存在ですよね。クラスで一番級の美人なのに、パッとしない男子にも手を差し伸べる(しかも何の計算もなく厚意で)。
これができる人っていいですよね。だからちょっと罪深いんですけどね。

あとはちょい役ですけど、『エターナルズ』でキンゴ役をしていたクメイル・ナンジアニも登場。彼好きなので嬉しかったですね。

〈キャスト〉
ジョー(ニック・ロビンソン)
パトリック(ガブリエル・バッソ)
ビアジオ(モイセス・アリアス)
ケリー(エリン・モリアーティ)
キャプテン・デイビス(メアリー・リン・ライスカブ)
フランク(ニック・オファーマン)
ヘザー(アリソン・ブリー)
ミセス・キーナン(ミーガン・ムラリー)
ルーキー・コップ(トーマス・ミドルディッチ)
ゲイリー(クメイル・ナンジアニ)
ヴィッキー(リリ・ラインハート)

※2022年自宅鑑賞123本目
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