わたろー

5つ数えれば君の夢のわたろーのレビュー・感想・評価

5つ数えれば君の夢(2014年製作の映画)
4.6
凄い映画だということはわかるけど、女性の感想がとにかく聴きたい。女子高の閉塞感(というより学校=社会のすべてという青春期の間違った価値観)を剥き出しにし、青春のドロドロとした承認欲求とも言えるし、嫉妬とも言えるし、でもそういう感情を覚えることこそ、子どもから大人への揺らぎなのかもしれないと、とにかく女子高生の心理について真理について考えなきゃとこびりついて離れない傑作中の傑作なんだろうと思う。

『玉城ティナは夢想する』『離ればなれの花々へ』で見せた詩的表現、”女の子“という観念からの脱却と「ホットギミック・ガールミーツボーイ」で見せたドロドロとした心境吐露シーンがとにかく男から見るときつい。けど、時にカメラを割り、時に定点固定で出しゃばりすぎないのも良い(ホットギミックのカメラ割はやや過剰と言われても仕方ないくらい練り込まれている)

東京女子流のメンバーは決して演技が上手とは言えないけれども、その生々しさが良い。

文化祭でのダンスシーン、プールのシーン、花壇のシーンなど鮮明に残るシーンが多いのは名作。決して彼女を性的に消費しないんだけど?社会通念(ミスコン)から消費されに行ってません?っていう問題提起もなされていると思う。

山戸結希監督はこうした少女性の儚さと危うさを取らせたら本当に凄いのに、テレ東ドラマではギャップも示してて…今後も絶対に見逃したくない映画監督である。
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