本国アイスランドでは全人口の4人に1人が観たというヒット作ということで観てみた。
1990年代のアイスランドを舞台に、
麻薬ビジネスの利権争いを軸に
若者たちの暴力や破滅を描いたクライムサスペンス。
暴力沙汰を起こした主人公ステビに、
昔馴染みで兄貴分でもあるトティが
腕利きの弁護士を紹介する条件に自分の仕事を手伝わせ犯罪の世界に引き摺り込んでしまう。
ステビの思いとは裏腹に
後戻りできない状況に進んでいく過程は、
実際にこういう世界に足を踏み入れてしまう人たちもきっと最初はこんな感じなんだろうなとか想像してゾッとしてしまうリアルさもあり。
アイスランドという場所柄と
物語の持つ世界観をあらわすような
暗く冷たく鬱屈さをも感じさせる映像の中、小さな町に密かに着実に侵食していくようなドラッグを巡る闇。
ステビを威圧するブルーノの雰囲気が凄い。
毒ヘビに全身を舐め回されながら標的にされているかのようにジトッとした目で睨まれ続け、身動きが取れず追い詰められるような不安…
ストーリー自体はシンプルで展開も予想通り。
とくに派手な演出などもなくサックリ進んでいって、もの凄く面白いというわけではないけれど、アイスランド映画という新鮮さについついラストまで観てしまった。
