チョコレートドーナツのタイセイのネタバレレビュー・内容・結末

「この世界中で誰も彼を求めていない。私たち以外はね。」

同性愛者のダンサー・ルディは同じく同性愛者の弁護士・ポールと出会う。
ある日、騒音のうるさい隣人が失踪し、そこにはダウン症の少年・マルコが取り残されていた。
マルコの母を探すことになるが、薬物所持で捕まっていたため、ルディとポールはマルコの養育権を得て、本当の家族のようになっていくが...

正直タイトルとキービジュアルで舐めてた。鑑賞するのにはかなりの覚悟が必要。『ミッドナイトスワン』に似てると思ったら『万引き家族』だった。
あらゆるテーマが差別という合致点で結びつき邪魔せず、うまく掛け合わせている。
裁判での人形のくだりはかなり衝撃的だった。
実際に自分の目で確かめず、部分的な情報だけで、いくらでも想像で言ってしまう人間の恐ろしさのようなものが、最後の手紙のシーンにも繋がってくる。
原題の『ANY DAY NOW』もいいが、邦題の『チョコレートドーナツ』もいい。
心に空いた穴をチョコのように甘い優しさで埋めるという解釈でいいのかな。