菩薩

黒い下着の女 雷魚の菩薩のレビュー・感想・評価

黒い下着の女 雷魚(1997年製作の映画)
4.0
冒頭から非常に生臭いからこそ、鈴木卓爾の死に際の血生臭さが余計に際立つ。寄生虫がうじゃうじゃいるからどこにも引き取り手の無い雑魚=黒い下着の女=ガソリンスタンドで働く男。ここより先へは行き場無く、更に逃げ場も無い悲壮感、お母さんと嘆く女の首にシャワーのホースを巻きつける男。死出の旅路、センチメンタルな旅の終焉、燃え盛る地獄の業火、あの時出来なかった火葬のやり直し。公衆電話、テレクラ、繋がっている様で何処にも繋がらない人間、なんで殺すの?殺すのってどんな気分?きっとそこにすら理由は無い、私も彼も、もう死んでいるから。溶けているのは内臓では無く、存在そのものである。
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