午後

アメリカン・パイ in バンド合宿の午後のレビュー・感想・評価

3.3
スティフラーの弟を主人公にしたスピンオフ作品。破天荒な兄貴に憧れ、悪戯三昧の悪ガキっぷりを遺憾無く発揮している。本当の兄弟かと思うほど顔つきが似ている。表情の使い方が完全にスティフラーのそれ。
ひょんなことから吹奏楽部のバンドキャンプを共にすることになったスティフラーが、最初はダサいギーク達だと軽蔑しながらも、最終日の学校対抗の大会に向けて、なんやかんや交流していく話。弟が兄と決定的に違う点は、弟は兄のように奔放に振る舞おうとしている節があり、行動の数々に兄のようになりたいという願望が見え隠れして、つまりスティフラーらしく振る舞うことに執心しているように見える。現に学校の生徒や、周りの大人達から彼は「スティフラーの弟」と眼差されている。吹奏楽部のオタク達、そして疎遠になっていた幼馴染のエリスだけが、彼の度を越えた悪戯を疎いながらも、彼をマットとして、ひとりの個人として見ている。彼の悪名高い家名ではなく、彼の為すことによって彼を見ている。彼の短気な性格が起こしたトラブルによって損害を被れば彼を責めるし、彼の意外な特技によってその埋め合わせをしたら彼を許す。彼の行動の過激さを目当てに寄ってきていた従来の悪友たちよりも、彼を彼自身として認め、歩み寄ろうとしてくれるブラスバンドの仲間たちを選び、彼らしい豪快なサプライズをキメる展開がアツい。ブラスバンドのみんな懐深すぎやろ。
ラジコン式のアーム付きロボットを自作する科学オタクのサックス吹きの少年のキャラが良い。最初にマットに歩み寄ろうとしたのも彼だし。
あんなに強烈な兄がいたら良くも悪くも影響受けてただろうな。兄の影を追う弟が自分を見つけていく映画だとも言える。

盗撮はライン越えだろ!!と思ったが一作目ですでにネット配信をしていた。オーボエもアップルパイよりはマシだし。

本シリーズからは、ジムのお父さんとシャーミネーターが出ている!シャーミネーター好きなので嬉しかった。遺憾なくそのシャーミネーターっぷりを発揮していた。

本家シリーズと比べるとエロもバカも控えめに思えた。立て続けに観ていて慣れただけかな?とはいえスピンオフ作品でここまで初出のキャラクター達に愛着を持たせるのはすごい。
午後

午後