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MONSTERZ モンスターズのmatchypotterのレビュー・感想・評価

MONSTERZ モンスターズ(2014年製作の映画)
3.2
韓国の『超能力者』からのリメイク。
そっちは観たことあったっけな。でも、元ネタはあるのは知ってた。またそれはそれで今度観よう。

これは観るの2回目。
ある意味でねじ込んだというか、ある意味で無理矢理収めたというか、ある意味で諦めたというか。
やたらと点数が低いのはそういうところが何となく、、、な気がするけど、そんなに言うほどひどい作品でもないと思う。色々描き切るのは難しいということなのかも知れないが。

対照的な“2人のMONSTER”が出会ってしまったことによるかなり広範囲な世間を巻き込んだ1対1のバトル構造。

周りに虐げられ化け物と罵られてきた人生から全てを操り葬らんとするMONSTERと、周りを守れてこなかったことの後悔の塊でしかないMONSTER。
その2人のそれぞれの人生が交わる瞬間に起きる激しくも、冷たくもあるような物語。

単純な敵対構造のようでそれぞれ背負ってきたものもあり、出会ったことで生まれることもあり、変わることもある。

その辺の微妙な過程が意外と大事なのだろう。
2時間の映画ではなく、TVドラマにしてじっくり描けたら最高かも知れない。

しかしながら、このBIGな2枚看板。藤原竜也と山田孝之。そして、石原さとみ。
何よりこのフロント3人が同じ画面に収まってることも堪能すべき。

この2人のMONSTERの人間性がそうさせるのか、画面から伝わってくる2人の迫力に圧倒される。
直射日光を浴びすぎて熱中症になってしまうかのようなパワー。

意外と大声で叫び合うとかはなく、むしろ取っ組み合い、睨み合いの中で淡々とやりとりしてるのが印象的。
それなのに何故だか暴風雨を真正面から受けて前を向くことすら大変な状況のような、目や耳では感じないけど目に見えない“気”に圧倒される。

その沸々と湧き立つ湯気のような感情のぶつかり合い、その果てに悟り始めるお互いの宿命。そして、正反対ながらも同じカテゴリーであるが故に感じ合う理解。

矛と盾。“矛盾”の逸話的なシンプルなどっちが強くてどっちが正しい的な構図だけでもない。
人知を超えてるが故に、当事者同士にしか分からない部分があり、それを何とか描こうとした、その努力を感じる作品。

特殊な存在の出現は普遍的な価値観の中では異常とみなされ淘汰される。
しかし、弱肉強食や進化の果てに、新しい世代が古い世代を淘汰することも起きる。

いずれの価値観もわかるようでわからない。
それで良い。だって、普通の物差しでは測れない2人なのだから。


F:1756
M:23166
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