nicky

未来を花束にしてのnickyのレビュー・感想・評価

未来を花束にして(2015年製作の映画)
4.2
"祭りは終わりだ、去れ"

3月8日は国際女性デー。最近やっとメディアに特集されるようになってきたが、「ヨーロッパとかその辺のお祭りだと思ってた」と言われたことが何度かある。

他国同様、女性に参政権が認められていなかった1910年代のイギリスが舞台。ロンドンの洗濯工場で働くモードが、WSPUの"サフラジェット"と出会い、女性の参政権や親権を求めて戦う様子を描く。

"参政権"という社会に属する一人の人間として得るべき当たり前の権利を女性が獲得するまでには、文字通り多数の命が懸けられていたことを実感させられる。現在、ほとんどの国で女性も政治に参加することができるが、政治の中心で活躍する女性の割合は未だに低い。女性の国会議員割合が増えれば、少なくとも「女性の話は長い」とか「女性の皆さんにはたくさん子供を産んでほしい」なんて堂々と言える奴はいなくなるだろうね。

邦題、この映画のどこを見て "未来を花束にして" というキラッキラユルッユルタイトルが浮かんだのかちょっと疑問。Suffragettesの語源Suffrageの意味は"参政権"。 花束なんて美しく儚く可愛いものではないよ。
nicky

nicky