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ソロモンの偽証 前篇・事件のkuuのレビュー・感想・評価

3.8
『ソロモンの偽証 前篇・事件』
映倫区分G.
製作年2015年。上映時間121分。

直木賞ほか多数の文学賞を受賞するベストセラー作家の宮部みゆきが、『小説新潮』で9年間にわたり連載したミステリー巨編『ソロモンの偽証』を、成島出監督が映画化した2部作の前編。
物語の中心となる12人をはじめとした中学生キャストは、1万人の応募があったオーディションで選出。
藤野涼子役の新人女優・藤野涼子は、本作での役名をそのまま芸名に女優デビューを飾った。

バブル経済が終焉を迎えつつあった1990年12月25日のクリスマスの朝、城東第三中学校の校庭で2年A組の男子生徒・柏木卓也が屋上から転落死した遺体となって発見される。
ポリスは自殺と断定するが、さまざまな疑惑や推測が飛び交い、やがて札付きの不良生徒として知られる大出俊次を名指しした殺人の告発状が届き、事態は混沌としていく。
遺体の第一発見者で2年A組のクラス委員を務めていた藤野涼子は、柏木の小学校時代の友人という他校生・神原和彦らの協力を得て、自分たちの手で真実をつかもうと学校内裁判の開廷を決意する。。。

『見て見ぬふりか? そういうのが一番悪い。偽善者だ』
なんて、作中、柏木くんが云った言葉。
小生はそないな言葉を云われたとしたら痛い、胸が痛いから、脳内で反復してしまい、そう云われないようにとすることでお節介をしてしまう。
今作品では、きっと柏木くん自身への無念でもあるんじゃないかな。
抱えたまま、心に晴れることのない靄の中に生きていたくないと行動する藤野涼子は純粋で真面目さ。
そんな事を歯牙にも掛けなきゃエエのに、なんて考える人もいるやろし、そないなシチュエーションに出くわした過去があっても、見て見ぬふりをするのは自己防衛としては罪はないかも知れへん。
ガキの頃のある一過性のことなんやからと。
しかし、イラわれた側にとっちゃ、助け船がなかったと深く記憶にのこる。
想像を絶するほど、エグられる方もいると思う。
イラわれてた側にとっちゃ、直接、行動にでてなくても、手を駒根いてその空間にいただけでほぼ一緒の存在に(同罪)うつる可能性もある。
ある側面だけを見たり手懸りだけで、出来事を勝手に決めつける、決めつけられる事は、実際、結構ある。
あとで、己の過ちや、真実を知った時には、後戻りしにくかったり、取り戻せない所まで来てることが多々ある。
そないなことになる前に踏みとどまるのは難しいが藤野涼子はとどまる。
1人じゃ出来ない事でも、仲間がいれば大きなチカラになる。
真実が知りたい、その真実で例え深く胸がエグられたとしてもって行動に物語ながらその勇気に畏敬の念すら感じたかな。
こんな子が同級生にいてくれたら、救われる中学生も少なからずいるやろなとも思た。

最近はドラマにハマってますし、映画の前篇、後編とある作品でも苦痛ではないし、今作品の子供たちの思惑と大人たちの思惑とが、後編で複雑に絡み合いそうで楽しみながらこの後の後編も見れそう。
消化不良をしない内に後編を見なきゃなぁ。
kuu

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